エティエンヌ・ヒューゲル 来日セミナーレポート その2

   

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今回、13世代にわたる家族経営の伝統を誇るアルザスのヒューゲル・エ・フィスが、
社名をファミーユ・フューゲルに変更、またグランクリュや単一畑を発売するなど
商品ラインアップを一新した。

これを機に、
ファミーユ・ヒューゲルの12代目当主、エティエンヌ・ヒューゲル氏が来日し、
「ファミーユ・ヒューゲル 新ポートフォリオ・セミナー」を開催。

インポーター様のご厚意によりこのセミナーに参加させて頂いたのだが、
アルザス無知な私としては、非常に勉強になり、そして興味を持った。
またリースリングが素晴らしいものだったので、取り扱いを検討している。

セミナー内容の要約版、第2回目の今回は
商品の位置づけが非常に明確になった、このラインナップ階層構造の
特にリースリングにフォーカスしてUPしようと思う。

エティエンヌ・ヒューゲル 来日セミナーレポート その1はこちら
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※ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネールといった品種のこと、
DIAM(ディアム)コルクのこと、
これまで批判してきたグランクリュについての詳細もお伝えしたかったが、
あまりにも長くなるため、今回ブログでは割愛させて頂いた。
また、資料を元に多少のアドリブをきかせている事もご了承頂きたい。

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Gentil 2014

hugel_etiq_gentil_jpg_14124(リースリング23%、ピノ・グリ16%、ゲヴュルツトラミネール10%、ミュスカ6%、シルヴァーナ&ピノ・ブラン45%)

このジョンティはヒューゲル社で唯一のブレンドワインだ。

「ジョンティ」とは高貴品種をブレンドして造ったワインの
古来アルザスの呼び名であり、
非常に飲みやすいスタイルのワインで、入門編のワインではあるが、
すべて手摘みで収穫したブドウを使っており、
自社畑のブドウと、一部買い付けブドウを使って造っている。

ジョンティの20%はリースリングが占めている。
ヴィンテージによって変わるが、15~20%はピノ・グリがブレンドされている。
そして12%ほどがゲヴェルツトラミネールをブレンドしている。

ゲヴェルツトラミネールはアルザスの象徴的な品種で
アルザスのスパイスといってもいいと思う。

アルザスは世界のどの産地よりもこの品種に適しており、
秀逸なゲヴェルツトラミネールをつくる。9k=

ジョンティの2013年はANAのビジネスクラスで9か月間搭載されていた。
とても誇らしいことだ。

現在、世界109か国に輸出をしており、
ブレンド故に、その品質の一貫性からどこでも気に入って頂いている。

アルザスを知らなかった新しいお客様に飲んでいただく、
最初の扉を開けるワインとしてとても相応しいと思う。

 Riesling Classic 2013

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クラシックシリーズは2013年のヴィンテージから
上のようなエレガントで洗練された新しいラベルに変更した。

私共にとって最も重要な品種がリースリングで生産量の40%を占める。

こちらのクラシックは、50%自社畑、50%買い付けブドウを使用しているが、
今から2年前、品質を高めるために買い付けブドウのうちの品質の低い20%分を
グランクリュを含む、より高い品質のグロワーの買い付けブドウに変更した。

実はこのクラシックのレンジのシリーズは
3年連続 Wine Spectator 90ポイント以上を獲得している。
私共の歴史の中でも、3年連続で高評価を得たのは初めてのことだ。

先ほど申した様に、このワインは100%自社畑では無いものの、
自社のスタイル=粘土石灰質からくるリースリング個性が非常によく出ている。

粘土石灰質のリースリングは若いうちは閉じていて、控えめだが
逆にいうと長い熟成のポテンシャルを秘めており、
熟成させればさせるほど、リッチで華やかな味わいへと変化していく。

Riesling Estate 2011

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こちらは新しい商品で、日本でお披露目するのが初となる
エステートというシリーズだ。

エステートのフロントラベルには、ワインの説明書きが細かな文字で記され、
その上の楕円ラベルにはMARNES-MARLと、その土壌を記載している。

11私共は3つの重要な畑を持っている。
そのひとつがグランクリュ シュナンブールで、
グリーンのところがリースリングが植えられている区画だ。

hugel_parcelleshugeldansleschoenenbourg_1933

エステートシリーズではブドウの半分以上を
グランクリュ シュナンブールから収穫したもので造っている。
ここはいわゆる第二紀の海成堆積物からなるマール土壌が主流になり、
リースリングにその特徴であるミネラル感を与えてくれる。


 

私は土壌を理解するのは非常に重要だと思っている。

冒頭でアルザスは様々な地質が見受けられると申したが
一口にリースリングといっても全く異なる個性を持ったものが生まれる。

アルザスの多彩なスタイルのリースリングは
ブルゴーニュのピノノワールの多様性以上に幅が広い。
またシャルドネ以上にそれぞれのテロワール特徴を
よりしっかりと反映させるブドウだと思う。

リースリングの醸造にはフードルと呼ばれる非常に大きな樽を使い、
中には100年を超えるものもある。
リースリングに関して新樽は一切使用していない。

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Grossi Laüe Riesling 2010

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本来であれば1939年の300周年が区切りの良い年になるのだが、
当時は戦時中だった為、そういったお祝い事が出来る状況ではなかった。
それで1989年、350周年を祝した大きなイベントを行った。

その際、ジュビリーというシリーズを発表したのだが、
2009年ヴィンテージを最後に、このシリーズを終了することにした。

この年は敬愛していた叔父のジャンが亡くなった年でもあり、
私共の息子達、新しい世代が会社に参入してきた年でもある。

私の父、私、私の子供達と、3世代がワイナリーの運営に携わることになり
これを機に新たなステージへ進もうという想いを込めて
ジュビリーに代わり、グロシ・ローイをリリースした。

2010年がファーストヴィンテージだ。

私共が、ドイツとフランスの間に挟まれて
複雑な歴史を送ってきたのは紛れもない事実で、
そこにも光を当てたシリーズになる。

グロシ・ローイの名前の意味は “グランド・テロワール”
偉大なるテロワールという意味のアルザス語の表現で
アルザス人のアイデンティティを主張している。

このラベルは1950年、祖父がもともと使っていたラベルを復刻させたものだ。
グラン・ヴァン・ド・アルザスと表記があるが、実は認められていないため、
斜めに赤い文字でリミテッドエディションと書かれている。

2015年ヴィンテージからはグランクリュ シュナンブールという表記に代わる。

グロシ・ローイは、ジュビリーのラベルを単に変えたという位置づけではない。
歴史ある畑のテロワールをより再認識し、ヒューゲル家の時を超えた
文化的価値への真の回帰をより知悉に表現したものになっている。

hugel_parcelleshugeldansleschoenenbourg_1933リースリング グロシ・ローイに使っている区画は、
シュナンブールのグランクリュの中でも、中央に位置しており
斜面の中腹にある3つの区画の畑から採れたものを使っている。

リースリング グロシ・ローイはリリースと共に沢山の高評価を得ており

The Wine Advocate(ロバート・パーカー)96ポイント
アルザス辛口リースリングの中で最も高い得点になる。

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ジェームス・サックリン
「今、ワイン産地の中でアルザスが最もエキサイティングだ」
と表現し、97ポイントを付けた。

またフランスの評論家ミシェル・ベタンヌ
ボルドー、ローヌ、ブルゴーニュでも満点が無い中、20/20の満点をつけた。

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Riesling Schoelhammer 2007

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こちらは満を持して昨年の3月に生まれたシェルハマーという商品になる。

ラベルの中心部分に赤く描かれているシェルハマーは、
シュナンブールのほぼ中央に位置した斜面中ほどの理想的な場所で
面積はわずか6300平方メートルで、30列のブドウは有機栽培のリースリングだ。

P1190236シェルハマーは三畳紀のコイパー・マール(約2億年前の海成堆積物)に
45%の粘土が混ざった土壌で、標高300メートル、平均傾斜25度の南向き斜面で
栽培されている。

シェルハマーの存在は家族以外の人間には誰も知らせていなかったが、
漸くリリースできる見込みになった今、初めて世界に向けて発信したワインなのだ。

2007年がファーストヴィンテージで生産量は4288本と非常に少なく、
日本に入ってくるのは180本のみの限定品になる。

シュナンブールの畑から採れるブドウは収穫後6~7年閉じているのが特徴だ。

シェルハマーに関しては、9年の熟成を経ており、
漸くその複雑性を明らかにする第一段階に入ったところだ。

ひとつ前に紹介したグロシ・ローイに関しても、5年の熟成を経て
2010年のヴィンテージを今リリースしており、
この2つのワインは今漸く開いてきて、第一段階に入った状態かと思う。

そこから更に20~30年経つと、熟成の第二段階に入る。

それを今日お見せしたかったので、特別に35年の熟成を経た、
Famille Hugel Riesling Reserve Exceptionnelle Magnum 1981を用意した訳だ。

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シェルハマーは、マール土壌のテロワールから辛口でミネラルたっぷりの
ユニークな個性を持つリースリングを生み出すことに注力し、
深みのある上品なスタイルを実現したが、本来の姿を現すまでには
まだまだ時間を必要とすることがお分かり頂けたのではないだろうか。

END

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