葡萄栽培サードシーズン10 ベト病(ミルデュ)Mildiou

   

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ベト病(ミルデュ)Mildiou

5~7月に降雨が多いと発病する傾向で、特に開花の前後が多雨で低温になると
発病に好適な条件となり、6月中旬以降の連続した降雨により急速に発病進展、
蔓延すると考えられている。
また、初発生の早い年には多発生する傾向がある。

8月の高温期には一時停滞するが、秋季になると再び発生する。

・葉、枝
 最初は淡い黄色の斑点が現れ、成長すると淡褐色に変わり、
 赤茶色の病斑になる。葉の裏側には白色の毛足の長いカビが生える。
(※うどんこ病と似ているが、↓の写真の様にカビの毛足が長いのが特徴)
 病勢が進展すると葉は落葉。

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・果実
 果粒がごく小さい時期には白色のカビを生じるが、
 果粒が肥大してくるとカビを生じずに、全体が褐変し日焼けのような症状を示す。
 このような果実は落ちやすくなる。

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【対策】
・雑草、落葉の除去
・低い仕立てを避ける
・窒素を含む肥料を避ける
・水はけをよくする
・風通しをよくする
ボルドー液の予防散布

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ベト病とボルドー液について

ベト病は1870年代頃にアメリカからフランスに持ち込まれ、
以降、フランス全土で大発生した。

ベト病がアメリカから持ち込まれた経緯には、1860年代の※フィロキセラが関与している。

フィロキセラに強いアメリカ系のブドウ品種の苗木をアメリカから大量に輸入した際、
その苗木と一緒にベト病菌も輸入してしまったのだ。

アメリカ種と異なり、ヨーロッパ種のブドウは、ベト病に対して罹病性であったために、
瞬く間に全土のブドウ栽培地にベト病が広がり、大きな被害を与えた。

このことがきっかけとなり、フランスでは1878年に植物の輸入を禁止、
これが現在の「植物検疫」の発端になっている。

ベト病が侵食している中、ボルドー大学で植物学の教授をしていたミラルデー博士は、
メドックのブドウ畑を調査しているときに、あることに気がついた。

当時、ブドウ泥棒よけに使用していた硫酸銅と石灰(炭酸カルシウム:CaCO3)の混合物(vitriol)を
散布している場所にだけベト病が発生していないことに気付く。

その後、ガイヨン教授とともに研究を開始、1885年硫酸銅と生石灰(酸化カルシウム:CaO)の
混合液がベト病に対して効果があることが分かり、ボルドー大学での研究成果であったため
「ボルドー液」と名づけられた。

※フィロキセラ ブドウネアブラムシ

ブドウ樹の葉および根にコブを生成し、ブドウ樹の生育に害を及ぼし、
やがて枯死に至らせる昆虫。
1863年頃、品種改良のためヨーロッパに移入した
アメリカ原産のブドウ樹に付着していたことより
ヨーロッパに侵入し、フィロキセラに抵抗のなかった
ヨーロッパブドウ(ヴィニフェラ種)に全滅に近いほどの被害を及ぼした。

対策:害虫に耐性のある北米系品種を台木とした接木苗を用いる。t02200257_0300035013154295842

P1130295今年の葡萄栽培は絶望的状況だ。

素人目でウドンコ病だと思っていたのだが、実はベト病だったのだ。
購入したZボルドー銅水和剤を散布するも時既に遅し。

サードシーズンはなんとベレーゾン期を迎える事なく栽培終了という事態に!!

農業とはまさに自然や病害虫との戦いだ。

来シーズンへの学びにはなったが、この事態はあまりにもショックが大きい。

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